「幸せになりたかった。ただそれだけを願っていた。」
吉田修一『悪人』
久しぶりに「睡眠時間を少し削ってでも読んでいたい」と思えた本。
まだ読了していないので、内容については書けないけれど、
人間というものの不器用さがもどかしく、ちょっと愛おしくも思えてくる。
小説を読みながら思い出していたのは、
たしかコピーライターの谷山雅計さんが書いた本の中に出てきた、
「あの人は100人いる」というフレーズ。
つまり、ぼくにとってあの人は友達であっても、
別の人にとって彼はときに息子であり、兄であり、
はたまたよくコーヒーを飲みにくる人であり、
たまたますれ違っただけの人でもある。
人は関係のなかに生きているのだから、
立場が違う人から見れば、「あの人」はあなたが思う「あの人」ではないということ。
人間の弱さに対して、忍耐強く向かいあえないと、
こんな小説は書けないと思います。
読み終わった時の自分の心情が楽しみ。
影響を受けざるを得ない本。
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