20091227

納棺夫日記



 
今年の手帳を見返してたら、ちょうど1年前の今日の欄に、

青木新門『納棺夫日記』 

と書いてあった。

映画『おくりびと』のもとになった本。
今日は、のんびり本棚の整理でもしようと思っていたので、
平積みになってしまっている本たちの中から『納棺夫日記』を探し出して、
ぱらぱらとめくっていたら、こんな文章が。

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人の心なんて、他愛のないものである。
人を恨み、社会を恨み、自分の不遇を恨み、
すべてが他者の所為だと思っていた人間が、
己をまるごと認めてくれるものがこの世にあると分かっただけで生きていける。
そして、思想が一変する。

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『納棺夫日記』全体に流れている静謐さは、
ここに書かれている深い「安堵感」が支えている気がする。

年の瀬に色々振り返ってみてるときに、
サンドイッチのレタス程度につまみ読みしたら、
いい新年を迎えられそうな気がする本です。

納棺夫日記 (文春文庫)
青木 新門
文藝春秋
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